2014年7月30日水曜日

麻酔の試験とプレゼンのフィードバック

今日は朝8時から麻酔のテストであった。

睡眠時間2時間で挑んだテストだったが、完全持ち込み可能のテストとはいえ気が抜けない。

結局テストは10問で紙2枚だった。

第1問。USCの救急の際のコール番号は?
これは絶対に出るからと言っていたサービス問題。

第2門目。貴方は今までどれくらい麻酔の勉強をして来たか?

第3問目。この授業は役に立ったか?

あれ??ここでさすがに僕でもピンと来た。笑い声が周りから聞こえてくる。
残りの問題をみても全部こういう感じで、テストという名のアンケートだった。。。

そう結局、Tom先生はテストなるものをするつもりが最初からなかったのである。

テストをさせたいのではなく、勉強をさせたかっただけなんですね。

Tom先生は今年から麻酔の担当で過去問が全くなかったので、それこそ麻酔の本とかいっぱい買ったんですけどね・・・テストは10分で終了。どっちにしてもTom先生、ありがとう。

午後はDr.Pharkのマテリアルのプレゼン。
今回はMTA、Biodentine、Super EBA、ホルモクレゾール、仮封、印象材、そしてジルコニアの小児クラウン。

特に最後のジルコニアの小児用クラウンと言うのは発表を聞くまでもなく・・・どうだろう?私には結局どうしてもジルコニアをPidoのCrownに使用する意味合いが理解できなかった。マージン調整無理だと思いますが・・・
結局SSC Crown(小児の金属冠)がコスト、手早さ、強さの点でジルコニアを全て上回っているという結論でしたが、それにしても凄いことを思いつくもんだなとびっくりしました。

マテリアルの授業は今日で終了。
学んだことは、結局完全に安全であるという保証のある歯科材料は何一つないのだ。
長所、短所がそれぞれあり、専門医がそれぞれの判断でそれを用いていく。それにしてもなぜそれを用いたか?という根拠が必要。それを学べた点は非常に為になった。

最後に一人一人にプレゼンのフィードバック(Phark先生および他の受講生が感じた感想や意見)が与えられました。

ちなみに私へのフィードバックは、
What I liked:
-nicer personal introduction
-nice transitions
-great flow of story
-great job!
-nice voice projection
-cool use of articles
-great graphs
-Great job for first presentation in English!
-good organization
-concise and gave main information that was applicable when using ZOE sealer
-good use of keynote
-great enunciation
-great visuals
-great animation

What could be improved:
-too much saying “ah”
-busy design
-mostly reading from notes
-could have been shorter
-hold pointer steady
-better timing
-talk more about disadvantages or alternatives
-explain diagrams/photos better

というものでした。

もしこっちに来る前にペンエンドに参加していなかったらと思うと・・・冷や汗ものです。勉強の仕方を教えて頂いた石井先生をはじめとするインストラクターの先生方には本当に感謝しております。

日本でも正しい学習の仕方を身につけていれば問題なくやれるんだな、と再確認できた1日でした。

そしてもっと日本にこのような学習の仕方、あり方を提供できるような環境が整備されれば日本の歯科界はきっと劇的に変わるのではないかと個人的に感じました。

2014年7月29日火曜日

必要ならば・・・

9月からクリニックが始まるが、それまでに器具を揃えなければならない。
日本では、ペンエンドのプロトコールで治療していたのでその時と同じものを揃えた。

まずNi-Tiロータリーハンドピースは日本ではNSKのエンドモーターを使用していたが、これが見当たらず、また私が個人的に好きなScout RaCeが回転数1000rpmを推奨していることから、Brasseler社のEndosequenceⅡを選択した。


NSKのモーターと全く同じものであるが、回転数がこっちが大きくできる。(Max1200rpm)ただし、逆回転機能はないのでCa(OH)₂を貼薬する時はまたしてもレンツロのお世話になりそうだ。レシプロ機能がついたモーターもあったが私はスルーした。

Ni-Ti Fileは日本と同様、主力選手はRaCe。色々なファイルを使いなさいと言うことなので、Brasseler USA(RaCeはアメリカではBrasselerが扱っている)から出ている、Bio RaCe、EndoSequenceそしてDentsplyのProtaper Gold、Sybron DentalのK3 XFと念願のLightspeed。日本にいる時にライトスピードが使用したくてたまらなかった。こっちでも再治療は多いと思うので。

根管長測定器はモリタのRoot ZX mini。Root ZX1(初代のやつ)は製造していないそうだ。。。

Obturationはこれまた日本と同じくBL社のAlpha2, Beta。

そして懸案の超音波だがなぜかこちらにはPMaxが無い。Pmax2も無い。あるのはよく分からない日本では聞いたことが無いものばかりだったが、結局SatelecのPmax XSを選択した。


これがいいと思ったのは、ハンドピースからエアーが出るという点である。


エンドで超音波は切っても切れない。而して治療中に出てくるデブリが非常に邪魔なのである。そして冷却(エアーを当てるとか、水をかけるとか)もしなければならない。これは必ずアシスタントが必要で、エンドのみのクリニックで開業する上で懸案事項になっていたことだった。しかし!このPmaxはエアーが先端から出てデブリをはじき飛ばしてくれる。これはすごい!と一発で気に入ってしまい、ACTEON社にquoteを要求すると、日本円で44万。これが大学院生価格で$*万。。。通常周りのレジデントが買う価格の倍である。
しかし、日本で開業後使用することを考えると仕方が無いか・・・。と腹を決めている。ちなみにObtura Spartanの超音波は安いがすぐ壊れるから買うなとBig BrotherのJoseからアドバイスされた。しかも保証が無いのだ。

実はこれらは大学院生価格で購入している。通常の半額〜4割引きくらいである。
この大学院生価格は会社ごとに異なるが、概ね卒後1年まで続くという。

従ってだ、開業前にこのアメリカの業者から大量に購入しておけばそれこそ経費の削減に繋がる。
何とあのプロエルゴだって、400~500万なのだから。

しかし、USCではこれ以外にもガッタパーチャ、ペーパーポイント、ハンドファイル、シーラー全て必要なら(ここがポイント)自分で購入しなければならない。
必要ならと言う意味は、学校で一応容易はしてある。(シーラーは無いが・・・)
ただし、そのK fileは何度か使用したものかもしれない。C+ Fileは支給されない。Gatesの#2,3,4はあるが#1は無い。外科に必要な45°に曲がったタービンや5倍速も無い。勿論私が愛用していた藤本研修会バーも無い。それどころかダイヤモンドバーを貸してくれない。唯一貸してくれるダイヤモンドバーは今では見ることもないヘビーシャンファー形成用のバーである。それ以外は基本、カーバイドバーである。

これはUSCのエンドを目指している人がいれば、アドバイスですが、ここでは自分が必要だ!と思うものは全て自分で購入しなければならないのです。。。
そう、つまり私はUSCで開業医をしているようなものである。
材料代を業者に支払いながら患者を治療し、学校に授業料を納めるという点と治療費が得られないという点だけが異なる。

なのでレジデントはなるべく安く済まそうとする。
Ni-Ti Fileは何度か使用するし、ハンドもそうだ。超音波チップだって45$で買えるが、折れればまた購入しなくてはならない。(そのため、日本にある大量の在庫をこっちに送ってもらった。)なので皆あまり使いたがらず、エンドアクチベーターで洗浄を行っている。
すると必然的に治療効率や治療のクォリティが下がっていく気がするのだが。。。
私は日本では完全に1回で使い捨てにしていたので、ここをどのように自分の中で正当化し、対応していくかが今後焦点になる。

先週頭、ようやくZeissから貸し出し用のマイクロが届いたので、最近の抜去歯牙での練習はマイクロ付になった。しかし、超音波も根管充填器も無い。何故かって?それは自分で買いそろえないといけないからなんです。。。つまり今自分は、アクセス、ストレートラインアクセス、根管長測定、ファイル試適&作業長設定、根管形成で止まっているのだ。。。

どうせ開業する時は購入しなければならないので、腹はくくっているが、USCは本当に全てお金!!北米の大学院のエンドのプログラムの中で最も学費が高い(by同級生)ことをここに来て日々実感している。

そう考えると、牛窪先生の難波のオフィスのあの実習室が、実は世界で一番優れたエンドの研修施設なのではないか?と真剣に思ってしまった。USCのファカルティには是非いつかあの施設を見学してほしい。そしてこの混沌とした状況の改善を今後に期待したい。

さあ明日は持ち込み可能の麻酔のテスト。
現在、いただいた資料に日本語を書き入れ中。
2時間、50問、何を見てもいいというこの前代未聞のテストは私にとって初めてのアメリカでの試験。と言うことで残りの資料に目を通して明日を迎えることになる。。。

2014年7月25日金曜日

ユージノールシーラーのプレゼンテーション

今日は時間を間違えて1時間半も早く学校へ・・・
実は今週、麻酔のロールプレイに続いて午後からマテリアルの授業でプレゼンテーションがあった。
担当は、OperativeのDr.Phark。ドイツでDDSを取得したという接着が専門の先生だ。
エンドのdirectorのLevy先生がとにかくPharkはいいプレゼンするから勉強するようにと言われたが、確かに奇麗なプレゼンテーション。最後にフルマウスで接着で治療した症例を出し、どうだ!と言わんばかりのプレゼンテーションはどこか彼の国でよく見たような無いようだったが、徹底的に論文ベースのプレゼンであった。

最初にプレゼンを持っていった時に、“内容はいいけど少しクドいかな・・・そして1枚のスライドにぐちゃぐちゃ重ねるのはやめた方がいい”という駄目出しをいただいた。
そこで悩んだあげく本来あまり今までやってこなかった形のものにしようと決め、作り込む事1週間、論文の数15本、スライド枚数50枚で一応OKをいただいた。その一部がこれである。












反応は、思ったより良かった。
Excellent!と言っていただいただけほっとした。

質疑応答で、Dr.Pharkから、“Core Build upする前に清掃を!と言うけど、どうやってその目安を判断するのか?”という鋭い突っ込みがあったが、私が調べた限りでは見つけられなかった。最後のスライドはclinical baseでscience baseでない”と拙いが極めて堂々と答える事ができ、少し自分の英語の進歩?に気を良くした。

Dr. Pharkは私がリサーチの経験があるものだと思っていたらしい。その日のプレゼン後、個人的に彼と話す機会がありそういう話になったが私にはその経験が無い事、しかし日本のスタディグループでその経験がある事(ペンエンドの事)を伝えると、君はいい勉強の仕方を学んで来たね、と重ねて褒められたがこれは私だけでなくペンエンドで学んでいる事、その姿勢が決して間違っていない、という事が確認できてその日は本当に嬉しかった1日だった。

と言う事で、最初の夏セメスターも何とか凌げるところまで来た。来週はいよいよクリニックのオリエンテーション。そしてその次の週はヒューストンでAPICES。
APICESにはペン大に今年から行った横田先生も来ると思うので、彼と久々の再会。

少しづつだが、歯車が回りだしたそんな気がする今週だった。

2014年7月24日木曜日

ロールプレイ

今週の火曜日は朝の8時から麻酔の授業でロールプレイをする時間が設けられた。
大学院生(GP、矯正、エンド、小児)と歯科衛生士がバラバラにシャッフルされチームを作り割り当てられたemergencyに対してどう対応するか?というのを全員の前で演技するのだ。
とはいえ、これは試験であるので(30点が与えられる)、そこそこ真面目にかつ面白可笑しく演技をしなければならないので英語が苦手な私にはかなり苦痛な時間であった事は皆さんの想像に難くないだろう。
私の組にはHiper ventilation(過換気症候群)が割り当てられた。

患者がエンドの問題で生まれて初めて歯医者に来る。

しかしすごい緊張。。。

麻酔しようとしたら、いきなり気分が悪くなって呼吸が乱れる。

アシスタントが紙を持ってくるが見つからない。。。

911へ電話。

付き添いの家族も不安な状態でこの状況を見守る。。。

医者が到着。

脈、血圧を測定しながら様子を見ると次第に元に戻る。

ベンゾジアゼピン処方しとくから、次は治療の前に飲んどいて。

ありがとうドクター・・・。。。

という寸劇を10分かけて行う訳である。

この中で私に割り当てられたパートは歯科衛生士で、紙袋を必死に探すも見つからず、ドクター、紙袋がありません!!という一言だけが与えられた。
本当はもっと台詞があったんだが、台詞を交わす相手が寝坊でやって来ず、私のパートは彼のパートごとごっそりとカットされた訳である。

彼ということは、男が歯科衛生士??と皆さんは不思議に思うだろう。
そうなんです。私はこっちに来てびっくりしたのは、男性の歯科衛生士学生がいっぱいいるのだ。

またこっちはSRP時に衛生士が麻酔をする。
USCのクリニックの歯科衛生士科のユニットは仕切り無しで雑多にユニットが30台くらい置いてあり、そこで一斉に患者に対してSRPを行っている光景を毎日見る。
エンドの同期のレジデントに日本では男性歯科衛生士は見た事が無いと言うと大変驚いていた。また麻酔ができないという事にも驚いていた。じゃあSRPの時、日本人は我慢するのか??信じられないね!という反応だったが、それほど日米でも歯科衛生士の業務には差があるようだ。また同級生が言うには、歯科大には成績の関係ではいれなかったが、まずは歯科衛生士科に入り、そこからDDSが取得できる歯科大へ進学するというコースもあるようである。いずれにしても、こっちの衛生士科の学生はよく勉強している(ように見えてしょうがない)。

また麻酔学はいよいよ来週、持ち込み可の試験である。
しかしこれが来週のLiterature Reviewの授業とかぶってしまう。。。
今週は週末も眠れそうにない。

さて、私はその日どうなったのか?といえば、その一言を発するためにオーバーに紙袋を探しまわり、下手な英語で紙袋ありませんでした!と発したものだから大爆笑だった。
この一言しか台詞は無かったが、このウケ具合を是非採点に多いに考慮していただきたいと思う忙しい週末である。

2014年7月19日土曜日

CPRのライセンス

今週は統計の授業に始まり、抜去歯牙の練習、麻酔の授業とロールプレイの打ち合わせ、Dr. Kellinyの根管充填の授業、Dr PharkとのEugenol Sealerのプレゼンの打ち合わせ、そして昨日今日と二日連続でのDental Pulpのプレゼンテーションと盛りだくさんだった。

特にこの麻酔の授業は完全についていけない。いや日本語でもついていけるか微妙なものだ。
麻酔の授業にはCPRという実習&試験が義務づけられている。
CPRとは何かご存知だろうか?

CardioPulmonary Resuscitation; CPR、要は心肺蘇生法の実習である。

アメリカでは2年に1回の更新が必要らしく、私はもちろんそんなライセンスは持っていないので他の科のレジデントと共にこの実習(と試験;受ける前までそんなものがあるとは知らなかった)を受けねばならなかった。

最初は日本でやる心臓マッサージのイメージしかなかったので、案外楽勝かなと思っていたが、これがとんでもなかった。
一人一人に人形が割り当てられ、DVDをみて実際に心肺蘇生を行う。
ここまではよくある話だ。
しかしこの後、AEDを組み入れた2人1組の実習から雲行きが怪しくなる。
私の相手は何度もこの授業を受けてベテラン風の矯正のレジデントの方らしく、勝手が完全に分かった感じでかったるそうな様子であったが、私が全く機能しないので実習中、明らかにイライラされていた。
Call 911!さえ意味の分からない私。思い切って聞くと、日本で言うところの119番だと言う。

そして何とかその場を凌いだ私に待っていたのは試験官監視の下の実習テストだった・・・
これが辛かった。何せ指摘されても英語は早い、なんて注意されているかほとんど聞き取れなくて分からないので、怒鳴られながら?必死で周りを見ながらありったけの英語力で理解したdvdの心肺蘇生のステップを繰り返す。しかし所々分からない部分があり、お相手さんをも怒らせてしまう。。。クーラーがガンガン効いた部屋で汗を一人だけ滝のように流していたのには事情があったのだよ、K君。

そしてようやく終わった!と一息ついたら、

“じゃあ今から試験します!試験にパスした人にはカードを与えます。落ちた人はまた受けてください!”

Oh my god! なんという事だ。。。

他のレジデントはサクサクとまるで自動車学校の試験を解くかのように終了し(その場で点数がすぐ分かるので)続々とカードをもらい帰っていく。ぶっちぎりで遅かったのは紛れも無くこの私だ。あまりにも遅いので試験官やスタッフは片付けを進めていた。
彼らの冷たい視線を浴びながらようやく試験終了し、試験用紙を試験官に渡した私の運命は?・・・

“84点で合格よ、おめでとう、Akira。”

正直今、何を解いたのか全く記憶にない。
何で合格なのかもよく分からない。
ただ頭を振り絞り言われた事を思い出しながら解いた結果がこれだった。

そしていただいたのがこのカードである。



私はこのカードを見るたびにこの日の事を強烈に思い出すだろう。

そして間違いなくこの日のことは、USCに来てから今までのところ一番のインパクトがある思い出である事は言うまでもない。


2014年7月17日木曜日

No Microscope, No endo

昨日今日と実に睡眠時間が取れなかった。
というのもInterimでDirectorのDr. Roges(ロヘスと皆呼んでいる)が昨日いきなり来週予定されていたDental Pulpの残りのプレゼンを明日やるから準備しといてね、という話になったからだ。

20ページくらいあるパートを昨日から読み、サマライズし、スライドを同時並行で作成。そして、たった今完成した。前回よりは随分とマシになったはず。。。
今回のパートは『温度と機械的刺激が歯髄に与える影響』。
臨床に関係があるので、意外と読みやすかった。
やたらレーザーが歯髄に与える影響について述べていたパートが多かったが(18段落!!)、強引に2枚のスライドにまとめさせていただいた。





今日は朝から晩までずっと抜去歯牙で練習。
しかも顕微鏡が無いためにイライラも頂点に達しそうだった。
見えないから適切にアクセス、ストレートラインアクセスができたか、自分でもよく分からない。

Gatesは折れるし、折れて新しいのちょうだいといったら、下の図書館!で買ってこいと言われる始末・・・頭にきてそれじゃあ実習できない!とクレームを付けると新しいのを渋々渡してくれた・・・。(後で分かったが、折れたら新しいの貸して、で済む話だった。)

私はいまだにUSCの器具に関するシステムについていけないというか理解ができない。

買わなくていいもの;タービン、エンジン、バー、エンジンバー、Gates, K File
買わなくてはいけないもの;上記以外すべて
と言う理解でいる。

なんと言うか、開業していたときとあまり変わらない気がする。
開業医が大学院生になりました、みたいな気がする。。。

そんなこんなで不完全な状態で抜去歯牙の写真をとって、後でプレゼンして、ああだこうだと色々言われても困るので、これらの症例に関してはNo Loopes, No Microscopeだと言い張る事にした。

皆んな根充したか?と聞いてくるが、根充するには顕微鏡が無いと・・・それ以前にこの実習には顕微鏡が絶対いるんじゃないのかな・・・
顕微鏡が来るのは、8月半ば以降だと言う。
しかし、summer semesterは8/15(金)で終了する。(8/16~8/29まで何と、夏休み)

9月から患者さんの治療が始まるのに、大丈夫なのか!?と皆んながさすがに今日は不安がっていた。
そして今日初めて判明したが、実は10人のレジデントの中で、今まで顕微鏡を使用して臨床をした事があるのは、私だけだと言う事実。。。
という事は、皆んな9月からの診療はほぼぶっつけ本番という事だろうか??

私は自慢じゃないが、顕微鏡を臨床で使用して10年以上になる。
エンドも、修復も、補綴も、すべて顕微鏡を使用してやってきた。
顕微鏡なしで歯科臨床をする事は私にとって目を奪われたに等しい・・・
なので、今の日々の実習は私にとって実に大きなストレスだが、この英語ができない出来の悪い中年男性にも一つスポットライトがあたる機会がやってくるのだろうか?!

2014年7月12日土曜日

人生で初めての英語でのプレゼンテーション

Last Friday, I had the first time to take a presentation in English...

昨日人生で初めて英語でプレゼンテーションする機会がありました。
プレゼン内容は、エンドの世界では超有名なS.SeltzerとIB. Benderの『Dental Pulp』をレジデントで分けて内容をサマライズするというものでしたが、私のパートは歯髄細胞における微小血管循環についての話。医科歯科の須田先生が書かれているパートです。
当初は日本人が書いたパートでラッキーと思っていましたが、読み進めるうちにその期待は砕かれました。基礎系の勉強を行うのは数十年ぶりで、しかも解剖&生理学。
スターリングの法則をまさかまた再びこの年齢で覚える事になるとは・・・

肝心の内容の方ですが、テキストをそのままサマライズする形ですので、お話は当然つまらないものになる訳です。いわゆる文字が多いパターンのプレゼンテーション。
20分、パソコンをみて喋り倒しました。
自分の中では今までで一番緊張しました。と同時に内容は今までで一番良くないと思います。。。

プレゼン後の教授やレジデントからのGood job!とかExcellent!という掛け声が気落ちした自分の心をさらにえぐります・・・




次回はまた別のパートを担当。何とか文字を少なくして重要な情報をもっとスマートにみんなに伝えたいです。

また昨日は午後はずっとTooth Projectと呼ばれる抜去歯牙を用いての実習でした。

しかしながら、肝心のマイクロスコープが手違いでまだドイツから到着していません。
レジデントの中には先にお金を払わせておいてまだ届かないなんてどうなってるんだ!!とプンプンになっている人もいれば、私のように忠実に言われた事をこなす人もいます。

今はFacultyのベテランエンドドンティストDr. Schechterを中心に、マイクロを使わず、SSハンドとGatesのみでの拡大形成を学んでいます。根管形成に関する古い論文を集中的にLiterature Reviewしていきながら、抜去歯牙でハンドでの形成に取り組んでいます。大臼歯の程よく湾曲した根管でバランスドフォーステクニック、ステップバック、ステップダウンetc...に取り組んでいますがやはりマイクロが無いと根管の中は全く見えません。

Gatesでコロナルフレアを形成するスペースを確保するために、ハンドで根管口部〜上部を拡大していくわけですが、上顎大臼歯の頬側根管や下顎の大臼歯の近心根管などは本当に見えません。しかし恥ずかしながら私は歯科医師になってこの方Ni-Ti以外を用いてエンドに取り組んできた事がありませんでしたので、ハンドでの根管形成というものに実に新鮮に取り組むことができています。しかし結論から言うと、Ni-Tiは本当に根管治療に革命をもたらしたな、と思います。ハンドで拡大形成をする時に、今の番手から次の番手に行く時はルースファイリングの原則を守らなければなりませんが、実際これがハンドではなかなか達成できない訳です。

また、Ni-TiのHands-onも平行して行われています。
プロテーパー、プロテーパーネクスト、ゴールド、ブルーボルテックス、Wave one、気づけばデンツプライのHands-onばかりですが(笑)、こっちでもデンツプライは圧倒的に存在感がありますね。

Dr. Schechterは実に紳士なそして熱心なdirectorです。
英語がわからない私に対して実にslowに話してくれます。
こういう気遣いをしてくれるのは今のところ彼だけなので(笑)、私は彼に対して実に親近感を持っています。
よく日本にいる時に、西海岸のエンドは押し出す傾向が強いという趣旨の話を聞かされることが多々ありました。
しかし、Dr. Schechterは意図的に根尖からシーラーやGPを出す事を良しとしませんし、そのような考えに対して明確にNoと言っています。

ただUSC endoのコンセプトは、ロジックがその方法にあればそれを私たちは否定しないし、尊重しますよというコンセプトなので、(主任教授のRogesもそこが我々の最大の長所であり短所でもあると言っていました。)そこが日本に間違って伝わってしまっている最大の原因の様な気がしますし、週何度かくるボランティアのpart-time fucaltyが皆、押しが強い人が多いように感じるのはそのためだろうか??と思います。

という事は、まさか将来、自分も??・・・いやそれは多分ないだろうな。。。


2014年7月4日金曜日

7/4独立記念日。渡米1ヶ月経過。

もうすぐプログラムが開始して1ヶ月が経とうとしている。
今日は独立記念日なため、学校は休み。
ロスもお祭り騒ぎだが、私は昼から図書館で文献をサマライズする作業に追われている。

相変わらず授業の方は、自分の予想を上回るくらい難しく、宿題の量も多くしかもそのコントロールを自分でせねばならず、まだまだ全くペースがつかめない。
しかも日本の自分のクリニックでも大きな問題が生じてしまい、こちらにいながらそのハンドリングもせねばならず多いに混乱している。

しかし、ある先生からアドバイスされた、
①全力で勉強に集中できる環境を確保するためにはどうするのが現実的か?
②日本で残ってくれているスタッフが最も仕事がしやすい環境を作るべきではないか?
③留学が終わる頃には、それまで築いてきたことがしらしく思えるのではないでしょうか?
経験から言えます。

という言葉に多いに共感した。
その他にも多くの先生に励まされて何とかやってます。

でもこの件に関しては…もう振り向く事はない。

私はアメリカに来たのは歯内療法専門医になるためにきたのであって、日本の医院のハンドリングを遠隔操作するためにきたのではないから。。。

正直言いたい事は山ほどあるけど、今は言わない。

大学院生活は、寝ているとき以外は常に読書だ。
そしてプレゼンの作成。
私は理解力に劣るのか、読むだけではほぼ内容がつかめない。
keynoteやpowerpointで要点を整理しないと頭に入らない。。。

また7/24にユージノールシーラーについてプレゼンせねばならなくなり、これが恐らく人生で初めての英語プレゼンテーションになるのではないだろうか??
小児のレジデントとサウジアラビアからの見学生?と一緒にこのプレゼンを行うのだが。。。さてどうなる事だろう??この1ヶ月も必死な毎日になりそうだ・・・