2015年8月25日火曜日

留学希望者の方へ〜留学前に卒後の進路を真剣に考えよう

現在、帰国してからの開業を模索している。

銀行、税理士、諸先生方etc...と色々な人と相談し、自分の進路は固まった。

しかしながらここに来て壁にぶち当たってしまった。

問題は銀行とテナントである。

銀行は当初、福岡でやるなら喜んで協力します!であった。

裏を返せば、福岡以外だと認めないということ。

しかし、実際に話を振ると、現時点では海のものとも山のものとも知れぬ、”歯内療法専門歯科医院”の開業への投資を完全に渋っているようで、私としてはハシゴを外された気持ちだ。

そこに行き着くまでに多くの葛藤があったのにもかかわらず、である。

私は両親が歯科医師でも何でもないただの一般人。

悲しいかな何の財産もない。

留学費用はすべて自分で手出ししている。

誰かが私を救済してくれることもない、叩き上げの1代目だ。

そのため、帰国後すぐにゴージャスなエンドの歯科医院オープン!というわけにはいかない。

華美でない標準的なUSCのGrad Endodonticsのような質素な感じで十分にいいのだが、それさえもクリアできなさそうである。

つまり、現在手持ちのもののみで必要最小限度の開業を再び迫られることとなりそうだ。

プロエルゴは取得したかったが・・・。。。

増設に備えたかったが・・・

全ては夢と消えそうである(笑)。

しかし、それでも与えられた条件のなかでなんとかしなければならない。

すると、方法としては

1. 駅周辺で10〜20坪のテナントを探す

2. 駅周辺で10〜20坪の居抜き物件を探す

3. その上で格安の内装業者を探す(配管のみは歯科関係者にしてもらう)

4. ユニットから何からすべて中古かリース

という選択肢しかないので、それを元にして以前から目をつけていたすべてのテナントの状況を不動産会社に問い合わせたが・・・私が予定していた場所は結論からいうとなんと現時点ではすべてNG!!であった。

テナントの問題が発生したのである。

その駅周辺のテナントはオフィス用に建てられた古いものが多いので、貸室内に水回りが必要なクリニック(医科・歯科)、エステ、ネイルサロン、リラクゼーションマッサージなどは貸室内に水を引くことをオーナーが拒否(もし水漏れして、下の階に水が漏れた場合、パソコンなど、OA機器が壊れてしまったら保証ができない、と危惧)。

もう一つは一つのテナントに歯科を何件も入れたくない(その先生との競合?をオーナーが嫌がる・・・歯内療法専門医院は他のGPと競合には全くならない職種なのだが・・・説明しても違いは一生わからないだろう。。。)ことだという。

また不幸なことに、この駅周辺では10坪前後のテナントで開業していた歯科医院というものがほとんどないため、この駅周辺でやるには20〜30坪の許可された場所で開業するしかなさそうである。

幸いまだまだ時間があるので、不動産屋は色々と探してくれるということだが、日本にいないので十分な検証ができない。。。

さあ、先が見えなくなってきた(笑)。

そうこう考えると、すべてをひっくり返したくなるのはなぜだろうか?(笑)

カリフォルニアは住むには最適の場所だ。

人は明るい、多様な人種、温暖でマイルドな気候。

今まで暮らした中で最も住みやすい。

子供も英語を中心に会話するようになってきた。彼らの将来も考えなければならない。

しかもこちらで生活していれば、州ごとに職種ごとに最低年収が定められている。

例えば、某州ではEndodontistの最低保障年収は日本円で5000万だという。

しかも週休3日だ。

こちらでは、Endodontistという仕事が誰からも認められている。

タクシーの運転手のような歯科とは全く無縁な一般人でさえも、『お前、将来は確実だな!おめでとう!』というリアクションである。

それを思うと、こちらに残るという選択肢も考えた。

こちらで考えられる進路は、

①どこかに就職

②自分で開業

の2つであるが、②はまず無理だ。従って①ということになる。

実は仕事を見つけるのはかなり容易で、数件の歯科医院を紹介してもらったくらいである。彼らはビザのスポンサーになってくれる。

しかし、最大の問題はビザである。

外国人は何らかのビザがなければ、母国に帰らなければならない。

もし、このままの滞在を希望するなら歯科医師の場合、多くはH1bビザ(移民法が規定したProfessionalに発行されるビザ)が必要である。

アメリカが景気が悪かった時代、H1bビザは問題なく取れていた。

しかし近年アメリカは好景気で、今年、去年、一昨年は85000人という枠以上の外国人応募者が殺到し、抽選である。(今年は27万人が殺到)

クジに自分の運命を任す猶予は私の場合、ない。

アメリカの景気が悪くなることを祈ってもどうしようもない。

また頼みの綱のOPTビザも日本の大学院を卒業して学位を持っていない私は対象外。

しかもこちらに残るには、NBDE(ナショナルボード)Part1&2、WREB(西海岸で働くための試験)をパスしなければならない。

大学院で死ぬほど忙しい現在、NBDEを勉強する余裕はもはやなく、しかもNBDEはTOEFLと同じように有効期限があるため、今の私にはこちらに残るために何年もクジに人生を任せるという選択肢はもはやない。

それでは、ファカルティになるのは?といえば、これもエンドの場合は難しく、しかもかなり不安定な(上の気持ち一つでいつでも切られ飛ばされる)ため、それもまた時間の無駄というものだ。

以上勘案すると、やはり日本で何とかして開業しなければならない。

この結論を導き出すのはもう何度目か・・・。


さあ、今のところ私の条件は

① 某駅周辺で徒歩10分以内でミニマム開業

② 大きな坪数の居抜き物件で初期投資を低く抑え(しかし月の負担は大きくなるが)開業

③ テナントが豊富な見知らぬ場所で居抜きで開業

④ 自院(原田)で数年、歯内療法専門医として勤務して開業

⑤ ①〜④かつ/または 大きな法人でお抱え専門医として雇ってもらう(どこにそんな需要があるのだか)

の5つの選択肢しかなさそうだ。

これ以外にもやらなければならないことが多々あり、途方に暮れているという現状。

1つ1つ、この縺れた糸をときほぐさなければならない。

もう少し根気よく、①を続けていかなければ・・・・

さて、こんな私のような失敗?や葛藤をしないためにも留学希望者には卒後のプラクティスを明確にして渡米されることをお勧めする。

下世話な言い方だが、大学院への投資は回収しなければならないので。。。(短期のコースやCEコースとは訳が違う)

もしお抱え専門医として迎えていただける余地があれば、いつでもお話しお待ちしてます!

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