2014年8月2日土曜日

Tooth Project、終わらない。。。

週末はクリニックのオリエンテーションがあったが、そこで抜去歯牙のプレゼン用の資料作りが終わったレジデントから患者を割り当てるという旨の通達があった。
レジデントリーダーのN氏やサウジアラビアの国から全ての生活費や学費を賄われていると言うZ氏は祖国で既にEndodontistとして活躍しているので、颯爽とそのラボワークを終了させ、来週からのきたる患者への対応に心躍らせている。

私はと言うと、器具などの問題があり(根管充填器が来ない、超音波が来ない)まだ実は1本も終了していない。
そこで今日、鍵を借りて一人朝から夕方まで抜去歯牙と格闘していた。




ここまでの抜去歯牙の実習の流れは、業者が来る→テクニックを伝える→それを見よう見まねで抜去歯牙でトライするというものなので、例えば昼休みによく話題にでるのが、根管充填に関する悩みで、

『何で気泡がアピカルプラグとバックフィルの間にいつも入るのよ!!』
とか、
『アピカルプラグ作るんだけど、何だかボソボソで。。。レントゲンの写りの問題かしら?』
とか、
『.04テーパーで根管形成したんだけど、SystemBやオブチュラのプラガーやニードルが入らないんだよな』
とか、
『25Gより細いニードルが欲しいよ!』
とか、

そりゃあ日本語だったら私がすらすら説明しまけど、、、というものが多々ある。

他のレジデントの抜去歯牙のケースをみてみると、お世辞にも人前に出せるものであるとは言いがたい。。。(少なくとも、私ならペンエンドでは出せない。)

彼らには顕微鏡の視度調整も、瞳孔間距離の設定も何も教えられていない。
力技で、それぞれが何とかしてる?のだろう。

私は顕微鏡はアクセスやストレートラインアクセス、そして根管充填の時などなくてはならないものであると実感しているが、彼らの多くは裸眼でCWCTに挑もうとする勇敢な戦士が多々見られる。

ああ、英語が堪能だったら・・・といつも忸怩たる思いで眺めている。。。

同級生にはエジプト歯内療法学会?認定のエジプト人の歯内療法専門医がいて、彼がレジデントを引っ張る頼もしい存在だが、彼が私に、『Akira, 俺は顕微鏡を使用して臨床した事がないけど、すぐ慣れるのか?』と不安げに聞いて来た。
エジプトでは、アメリカと異なり専門医のトレーニングで顕微鏡は使用しないのだという。
『君は既にエンドドンティストなんだからすぐ慣れるよ。心配無用!!』と優しく対応しておいたが、不安はよく分かる。

この抜去歯牙の根管形成から根管充填、そして透明根管作成までをドキュメンテーションして9月の2年生のケースプレゼンの時に一緒に発表しなくてはならないのである。
ようは、人前で見せるものを提供しなければならない。まさか、大きなvoidsが入ったり、ファイルが破折した症例やがたがたの根管形成の症例など出せないだろう。

私が超音波がないからと嘆くと、『再治療でもないのに何で超音波が必要なのよ?!ちゃっちゃとやって終わらせなさいよ!』と先輩に言われる始末。
いやあ〜イスムスとか象牙粒とかストレートラインアクセスとか仕上げとか洗浄とかでもいりますよね!?どうされてるんですか?という文章が出てこない。。。

私はこの夏休み、恐らく抜去歯牙は終わった事にして、学校に来て練習したいという呈でこの抜去歯牙のプロジェクトを終わらせるつもりだ。もうそれしかない。

患者さんを診たいのはやまやまだが、顕微鏡もない、器具もない、無い無い尽くしの状態では患者さんが可哀想だ。

しかも1年生の中の3名はこの雑多な環境(衛生士のユニット。ここでSRPなどを皆がやる)の横で診療をしなくてはならない。



患者を診たいなら早く終わらせる事だよ(笑)Rogesは笑っているが、今の私はとても笑える状況でないことを彼は決して知らないだろう!

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