2014年7月29日火曜日

必要ならば・・・

9月からクリニックが始まるが、それまでに器具を揃えなければならない。
日本では、ペンエンドのプロトコールで治療していたのでその時と同じものを揃えた。

まずNi-Tiロータリーハンドピースは日本ではNSKのエンドモーターを使用していたが、これが見当たらず、また私が個人的に好きなScout RaCeが回転数1000rpmを推奨していることから、Brasseler社のEndosequenceⅡを選択した。


NSKのモーターと全く同じものであるが、回転数がこっちが大きくできる。(Max1200rpm)ただし、逆回転機能はないのでCa(OH)₂を貼薬する時はまたしてもレンツロのお世話になりそうだ。レシプロ機能がついたモーターもあったが私はスルーした。

Ni-Ti Fileは日本と同様、主力選手はRaCe。色々なファイルを使いなさいと言うことなので、Brasseler USA(RaCeはアメリカではBrasselerが扱っている)から出ている、Bio RaCe、EndoSequenceそしてDentsplyのProtaper Gold、Sybron DentalのK3 XFと念願のLightspeed。日本にいる時にライトスピードが使用したくてたまらなかった。こっちでも再治療は多いと思うので。

根管長測定器はモリタのRoot ZX mini。Root ZX1(初代のやつ)は製造していないそうだ。。。

Obturationはこれまた日本と同じくBL社のAlpha2, Beta。

そして懸案の超音波だがなぜかこちらにはPMaxが無い。Pmax2も無い。あるのはよく分からない日本では聞いたことが無いものばかりだったが、結局SatelecのPmax XSを選択した。


これがいいと思ったのは、ハンドピースからエアーが出るという点である。


エンドで超音波は切っても切れない。而して治療中に出てくるデブリが非常に邪魔なのである。そして冷却(エアーを当てるとか、水をかけるとか)もしなければならない。これは必ずアシスタントが必要で、エンドのみのクリニックで開業する上で懸案事項になっていたことだった。しかし!このPmaxはエアーが先端から出てデブリをはじき飛ばしてくれる。これはすごい!と一発で気に入ってしまい、ACTEON社にquoteを要求すると、日本円で44万。これが大学院生価格で$*万。。。通常周りのレジデントが買う価格の倍である。
しかし、日本で開業後使用することを考えると仕方が無いか・・・。と腹を決めている。ちなみにObtura Spartanの超音波は安いがすぐ壊れるから買うなとBig BrotherのJoseからアドバイスされた。しかも保証が無いのだ。

実はこれらは大学院生価格で購入している。通常の半額〜4割引きくらいである。
この大学院生価格は会社ごとに異なるが、概ね卒後1年まで続くという。

従ってだ、開業前にこのアメリカの業者から大量に購入しておけばそれこそ経費の削減に繋がる。
何とあのプロエルゴだって、400~500万なのだから。

しかし、USCではこれ以外にもガッタパーチャ、ペーパーポイント、ハンドファイル、シーラー全て必要なら(ここがポイント)自分で購入しなければならない。
必要ならと言う意味は、学校で一応容易はしてある。(シーラーは無いが・・・)
ただし、そのK fileは何度か使用したものかもしれない。C+ Fileは支給されない。Gatesの#2,3,4はあるが#1は無い。外科に必要な45°に曲がったタービンや5倍速も無い。勿論私が愛用していた藤本研修会バーも無い。それどころかダイヤモンドバーを貸してくれない。唯一貸してくれるダイヤモンドバーは今では見ることもないヘビーシャンファー形成用のバーである。それ以外は基本、カーバイドバーである。

これはUSCのエンドを目指している人がいれば、アドバイスですが、ここでは自分が必要だ!と思うものは全て自分で購入しなければならないのです。。。
そう、つまり私はUSCで開業医をしているようなものである。
材料代を業者に支払いながら患者を治療し、学校に授業料を納めるという点と治療費が得られないという点だけが異なる。

なのでレジデントはなるべく安く済まそうとする。
Ni-Ti Fileは何度か使用するし、ハンドもそうだ。超音波チップだって45$で買えるが、折れればまた購入しなくてはならない。(そのため、日本にある大量の在庫をこっちに送ってもらった。)なので皆あまり使いたがらず、エンドアクチベーターで洗浄を行っている。
すると必然的に治療効率や治療のクォリティが下がっていく気がするのだが。。。
私は日本では完全に1回で使い捨てにしていたので、ここをどのように自分の中で正当化し、対応していくかが今後焦点になる。

先週頭、ようやくZeissから貸し出し用のマイクロが届いたので、最近の抜去歯牙での練習はマイクロ付になった。しかし、超音波も根管充填器も無い。何故かって?それは自分で買いそろえないといけないからなんです。。。つまり今自分は、アクセス、ストレートラインアクセス、根管長測定、ファイル試適&作業長設定、根管形成で止まっているのだ。。。

どうせ開業する時は購入しなければならないので、腹はくくっているが、USCは本当に全てお金!!北米の大学院のエンドのプログラムの中で最も学費が高い(by同級生)ことをここに来て日々実感している。

そう考えると、牛窪先生の難波のオフィスのあの実習室が、実は世界で一番優れたエンドの研修施設なのではないか?と真剣に思ってしまった。USCのファカルティには是非いつかあの施設を見学してほしい。そしてこの混沌とした状況の改善を今後に期待したい。

さあ明日は持ち込み可能の麻酔のテスト。
現在、いただいた資料に日本語を書き入れ中。
2時間、50問、何を見てもいいというこの前代未聞のテストは私にとって初めてのアメリカでの試験。と言うことで残りの資料に目を通して明日を迎えることになる。。。

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